「キャリーオーバー」とは?食品添加物が表示されない理由と「無添加」表示の読み方

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「無添加」と表示されたせんべいの原材料欄に
見慣れない文字を見つけて戸惑った経験は
ないだろうか。

実は原材料の段階で使われた添加物が
最終的な食品の表示には出てこないことがある。

この仕組みは「キャリーオーバー」と呼ばれ
食品表示基準で定められた正式なルールだ。

何が省略され何が省略されないのかを知ると
表示の読み方が変わってくる。

30年以上にわたり
臨床の現場に立ってきた看護師として
公的資料をもとに整理していく。

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目次

「無添加」なのに添加物が入っている?よくある誤解

「無添加」という言葉を見ると
何も添加物が入っていないと考える人は多い。

しかし、消費者庁が令和4年にまとめた
「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」
では、実際の商品における無添加表示を、
10種類の類型に分類している。

その背景には無添加等の表示が目立つ一方で
本来確認すべき一括表示欄が十分に見られていないという
実態があった。

つまり「無添加」という言葉自体に
法律上の厳密な定義があるわけではない。

商品によって
何をもって無添加としているかはさまざまだ。

保存料や着色料を使っていなくても
乳化剤や酵母エキスは使われている
という場合もある。

ここで押さえておきたいのは添加物の表示には
もともと一部を省略してよいとする仕組みがあるという点だ。

その代表例が「キャリーオーバー」と「加工助剤」である。

この二つを理解すると
「無添加」という言葉だけで安心してよいかどうかが
見えてくる。

逆に言えば
キャリーオーバーや加工助剤の考え方を
知らないまま「無添加」の表示だけで商品を比べても
本当に知りたい情報にはたどり着けないことがある。

次の見出しから
それぞれの仕組みを具体例とともに見ていきたい。

ガイドラインが示す類型の中には
食品表示基準に規定されていない用語を使った表示や
ある添加物は使っていなくても同じ働きを持つ別の
添加物を使っている食品への表示が含まれている。

健康や安全によいことと結びつけて見せる表示も
注意すべき類型の一つに挙げられている。

どれも「嘘」とまでは言えないグレーな表現であり
消費者庁がわざわざ類型化して注意を促しているのは
それだけ誤解が生まれやすい分野だからだろう。

キャリーオーバーとは何か――せんべいと醤油の例

キャリーオーバーとは
原材料の製造・加工の段階で使われた添加物のうち
最終的な食品にはほとんど効果を発揮しない量しか
残らないものを指す。

具体例として、札幌市保健所の資料では、
せんべいの味付けに使う醤油に保存料が
使われていたケースが紹介されている。

この保存料は
醤油そのものを長持ちさせるために使われたものだ。

せんべいの保存性を高める目的で使われたわけではない。

できあがったせんべいの中には
保存料としての効果を発揮できるほどの量は
残っていない。

こうした場合このせんべいの表示には
保存料を記載する義務がない。

一方で添加物の効果が味や見た目などの五感で
感知できる場合は
キャリーオーバーには当たらないとされている。

つまり量がわずかであっても
味や色として感じられるほど残っていれば
表示は必要になる。

この線引きがあることで
キャリーオーバーの仕組みには一定の歯止めがある。

醤油やだしたれなど
味の土台になる原材料にはとくに起こりやすい仕組み
だと言える。

パンに使う油脂や菓子に使う洋酒なども
もとの原材料に添加物が使われていることがある。

普段の買い物で原材料名を見ていても
こうした背景まで意識する人は少ないかもしれない。

加工助剤との違い

表示が免除されるもう一つの仕組みが「加工助剤」である。

加工助剤とは食品を加工する工程の途中で使われる
添加物のことだ。

次の三つのいずれかに当てはまる場合に
表示が免除される。

一つ目は
食品が完成する前に取り除かれるものである。

二つ目は
最終的に食品にもともと含まれる成分と同じになり
その成分の量を増やすものではない場合である。

三つ目は
最終的に食品の中にごくわずかな量しか残らず
その食品に影響を与えない場合である。

キャリーオーバーが「原材料由来」であるのに対し
加工助剤は「その食品自体の製造工程」で使われる点が
異なる。

どちらも最終的な食品にほとんど残らない
または影響しないという考え方にもとづいている。

この点は共通していると言える。

油で揚げる工程で使う油や
ろ過の工程で使う薬剤などが
加工助剤の典型例として挙げられることが多い。

たとえば飲料や調味料を澄んだ状態に仕上げるための
精製工程では
途中で薬剤を加えたのちに
工程の中でしっかり取り除く作業が行われる。

完成した製品の容器包装を見ても
こうした工程上の添加物は表示されないため
原材料名だけを見て工程のすべてを
知ることはできない。

なぜ表示を省略してよいとされているのか

ここで気になるのは量がわずかであれば
本当に健康に影響がないと言えるのかという
点だろう。

食品添加物の安全性は、食品安全委員会
がリスク評価を行い、ADI
(一日摂取許容量)という数値を設定したうえで
管理されている。

ADIとは人が毎日一生涯にわたって摂取し続けても
健康に悪影響が出ないと考えられる摂取量のことだ。

動物実験で健康影響が見られなかった量を求め
そこに安全係数(通常100)で割ることで
算出される。

食品添加物は使用基準の範囲内であれば
このADIを十分に下回るように管理される仕組みに
なっている。

キャリーオーバーや加工助剤として残る添加物の量は
もともとさらに微量であることが前提となっている。

こうした考え方にもとづいて
表示の省略が認められている。

長年
臨床の現場で患者さんの食生活相談に
関わってきた経験から言えるのは
ゼロか百かではなく
量と仕組みで考える姿勢が大切だということだ。

不安に思う気持ちは自然なことだが
制度の背景を知ることも一つの安心材料になる。

もちろん添加物を一切避けたいという考え方自体を
否定するものではない。

ただ加工食品を使う限り
原材料由来の添加物をすべてゼロにすることは現実的に
難しい場面も多い。

だからこそ量と仕組みを理解したうえで
自分なりの基準を持つことが現実的な向き合い方に
なる。

「無添加」表示を安心材料にしすぎないために

無添加という言葉は
特定の添加物を使っていないという事実を示しているに
過ぎない。

それ以上でもそれ以下でもない。

消費者庁のガイドラインが指摘するように
無添加等の表示が目立つ一方で
一括表示欄が見落とされがちだという現状がある。

本当に確認したいことがあるなら
無添加という宣伝文句よりも
原材料名や添加物の一括表示欄に目を通すことが
確実だ。

小さな文字で書かれていることが多いため
読みづらいと感じる人も少なくないだろう。

読みやすくするための拡大鏡を一つ用意しておくと
買い物のときに確認しやすくなる。

また気になる商品があれば
メーカーのお客様相談窓口に問い合わせてみるのも
一つの方法だ。

キャリーオーバーや加工助剤に該当する
添加物について
どこまで開示しているかはメーカーによって対応が
異なる。

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子どものアレルギーや持病があり
特定の添加物を避けたい場合は自己判断だけに頼らず
医師や管理栄養士に相談してほしい。

表示の仕組みを正しく知ることは
不安をあおられることなく
自分に合った選び方をするための土台になる。

まとめ

キャリーオーバーと加工助剤は
どちらも最終的な食品にほとんど残らない
または影響しない添加物について
表示を省略できるとする制度上の仕組みである。

「無添加」という表示だけを基準にするのではなく
一括表示欄全体を見る習慣をつけることが
賢い選び方につながる。

何をどこまで気にするかは人によって違ってよい。

制度の背景を知ることは過剰に不安がることなく
食品と付き合っていくための助けになるはずだ。

看護師の視点でまとめた食と健康の教材は、

コクアマーケット

で紹介しています。

参考にした資料

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この記事を書いた人

AIナースコンシェルジュ|てっぺい
30年の医療・介護経験と看護師としての知識を土台に、AIを使いこなしながら「暮らしを整えるヒント」と、AIで作ったお役立ちデジタル商品をお届けしています。
無添加食品・美容・スピリチュアルなど、テーマは様々でも軸はいつも「安心・信頼・ポジティブ」。
読んで終わりではなく、使って心地よくなるものを目指しています。

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