こんにちは、終活ガイド1級の渋谷です。
入院や施設に入るときの書類で、「身元引受人」や
「身元保証人」を書く欄を見て、手が
止まった経験はありませんか。
似た言葉ですが、病院や施設が期待している役割には
違いがあります。
この記事では、2つの言葉の違いと、
頼める人がいないときの考え方、身元保証サービスを
選ぶときの注意点を、国の通知や
ガイドラインをもとに整理しました。
身元引受人と身元保証人|法律で決まった定義はない

「身元引受人」も「身元保証人」も、法律で中身が
決められた言葉ではありません。
病院や介護施設、賃貸住宅などが、
それぞれの書類の中で使っている呼び方です。
そのため、同じ言葉でも、求められる役割は病院や
施設によって違います。
一般的には、次のように分けて説明されることが
多いです。
- 身元引受人:入院中や入所中の連絡、退院・退所のときの引き取り、亡くなったときの対応など、お金以外の役割
- 身元保証人:入院費や施設の利用料を本人が払えなかったときに、代わりに支払う役割
実際には、2つを区別せず、1人に
両方をまとめてお願いする病院や施設も
多くあります。
書類に名前を書く前に、どこまでの役割を
求められているのかを、必ず確かめておきましょう。
病院や施設が身元引受人・身元保証人に期待していること
病院では、入院の手続きの段階で、身元保証人や
緊急連絡先を確かめるのが一般的です。
病院や施設が身元引受人・身元保証人にお
願いしたいのは、主に次のようなことです。
- 急に具合が悪くなったときの緊急連絡先になる
- 治療やケアの方針について、本人と一緒に説明を聞く
- 着替えや日用品など、入院中に必要な物をそろえる
- 入院費や利用料の支払いを支える
- 退院や退所のときに、次の住まいや生活を一緒に考える
- 亡くなったときに、ご遺体や荷物を引き取る
これまでは家族が当たり前のように
担ってきた役割です。
ひとり暮らしの方、家族と疎遠な方、パートナーが
法律上の家族ではない方にとっては、どれも
頼める人がいないと困る場面です。
身元保証人がいなくても、入院を断られることはない

厚生労働省は2018年の通知で、入院による治療が
必要なのに、身元保証人等がいないことだけを理由に
入院を拒否することは、医師法第19条第1項に
抵触するという考え方を示しています。
2019年には、身寄りのない患者にも必要な医療を
提供できるよう、医療機関向けの「身寄りがない人の
入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に
関するガイドライン」も作られました。
身元保証人がいないことは、
ご本人の落ち度ではありません。
書類の欄が埋められなくても、まずは
病院の医療ソーシャルワーカー(相談員)に事情を
伝えてみてください。
ただ、入院中の買い物や退院後の生活の調整などは、
頼める人がいないとご本人が困るのも事実です。
そのため、元気なうちに「いざというときに誰に
頼むか」を考えておくことが大切です。
頼める人がいないときの3つの選択肢
身元引受人・身元保証人を頼める人がいないときは、
主に次の方法があります。
1. 身元保証サービス(終身サポート事業者)と契約する
入院や施設に入るときの身元保証、日常の見守り、
亡くなったあとの手続きなどを、
契約にもとづいて引き受ける事業者です。
費用は事業者によって大きく違い、まとまった金額を
前払いで預ける契約もあります。
2. 成年後見制度を使う
判断能力が落ちたときに、お金の管理や契約を
支える仕組みです(くわしくは成年後見制度の記事)。
後見人は、本人のお金から入院費などを
支払う手続きをしますが、本人に代わって借金を
背負う「保証人」になるわけではありません。
手術などの医療行為に同意することも、
後見人の役割には含まれないとされています。
3. 身元保証人がいなくても入れる施設を探す
施設によっては、成年後見制度を使っていることや、
緊急連絡先の確保を条件に、身元保証人なしで
受け入れているところもあります。
地域包括支援センターやケアマネジャーに、
「身元保証人がいない」と
最初から伝えて相談すると、探しやすくなります。
身元保証サービスを選ぶときに確かめたいこと

2024年6月には、国が
「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を
作り、身元保証などを行う事業者が
守るべきことをまとめました。
ガイドラインをもとに、契約の前に次の点を
確かめておくと安心です。
- 契約の内容と費用について、重要事項説明書などの書面で説明があるか
- 前払いで預けるお金を、事業者のお金と分けて管理しているか
- サービスの内容ごとに、費用の内訳が示されているか
- 途中で解約したときの返金のルールが決まっているか
- 寄付や遺贈(亡くなったあとに財産を事業者に渡すこと)を、契約の条件にしていないか
ガイドラインのくわしい内容は、法務省のページでも
確かめられます。
説明を聞いて分からないことがあれば、その場で
契約せず、持ち帰って考えて大丈夫です。
まとめ|言葉の違いより「誰に何を頼むか」を決めておく
身元引受人と身元保証人は法律で
決まった言葉ではなく、病院や
施設によって求められる役割が違います。
身元保証人がいないことだけを理由に入院を
断ることはできないとされていますが、入院中や
退院後を支えてくれる人がいるかどうかで、安心は
大きく変わります。
頼める人がいない方は、身元保証サービス、
成年後見制度、施設探しの相談を組み合わせて、
元気なうちに備えておきましょう。
身元保証や死後事務について相談したい方は、
PONO那覇のお問い合わせページからご
連絡ください。

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