「市役所から届いたお知らせ、なんだか難しい言葉ばかりで
結局よくわからないまま引き出しにしまってしまった」
——そんな経験はありませんか。
病院の案内、保険会社からの書類、家電の分厚い説明書。
読まなければいけないのはわかっていても、専門的な言い回しが多くて
途中で読むのをやめてしまう。
そんな方は決して少なくありません。
実は、生成AI(せいせいエーアイ=文章を作ったり答えたりしてくれる
コンピューターの仕組みのことです)を使うと
そうした「読んでもわからない書類」を
まるで隣に座った人がやさしく説明してくれるように
かみ砕いて教えてもらうことができます。
このブログ「はじめての大人のAI入門」は
生成AIを一度も使ったことがない方に向けて
ゆっくり・やさしくお伝えしています。
今回は、日常の中でも特に「助かった」という声が多い
書類やお知らせを読み解いてもらう使い方をご紹介します。
「機械に読み解いてもらうなんて、なんだか心もとない」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実際に使ってみると「誰にも聞きづらかったことを
遠慮なく何度でも聞ける」という安心感の方が
むしろ大きいという声をよくいただきます。
今日は、そんな使い方の第一歩を、一緒に踏み出してみましょう。
そもそも生成AIって、何をしてくれるものなの?
生成AI(せいせいエーアイ)とは
ものすごくたくさんの文章を覚えていて
それをもとに「文章を作ったり
質問に答えたりしてくれる」コンピューターの仕組みのことです。
代表的なものに「ChatGPT(チャットジーピーティー)」
というサービスがあります。
たとえるなら、図書館にいる、とても物知りな司書さんのような存在です。
難しい本を「これ、どういう意味ですか?」と聞くと
その場でやさしい言葉に置き換えて説明してくれる。
生成AIも同じように、難しい文章を渡すと
それをやさしい言葉に言い換えて教えてくれます。
これまでの記事では、生成AIに文章の下書きを手伝ってもらったり
旅行の計画を立ててもらったりする使い方をご紹介してきました。
今回ご紹介するのは、その逆の使い方です。
つまり「自分で文章を書く」のではなく
「届いた文章を読み解いてもらう」という使い方です。
市役所からのお知らせ、健康保険の通知、年金に関する書類
家電の取扱説明書
——こうした「読むのが億劫になりがちな文章」こそ
生成AIが最も力を発揮してくれる場面のひとつなのです。
「AI(エーアイ)」という言葉自体も、聞き慣れない方には
少し身構えてしまう言葉かもしれません。
AIとは「人工知能(じんこうちのう)」の略で
簡単に言えば「人間の代わりに考えたり
判断したりしてくれるコンピューターの働き」のことです。
生成AIは、そのAIの中でも「新しく文章や画像を作り出すこと」
が得意な種類、というイメージを持っていただければ十分です。
難しい理屈を覚える必要はまったくなく
「よくできた相談相手」くらいに考えていただいて構いません。
実際にやってみましょう|写真を撮って、質問するだけの3ステップ
難しそうに聞こえるかもしれませんが、やることはとてもシンプルです。
ここではスマートフォンを使ったやり方を、順番にご紹介します。
なお、以下でご紹介する画面や操作の手順は
この記事を書いている時点(2026年9月)のものです。
アプリの更新によって、ボタンの位置などが変わることがありますので
その点はあらかじめご了承ください。
ステップ1:読みたい書類をスマートフォンのカメラで撮影する
まずは、わからない書類をスマートフォンのカメラで撮影します。
文字がぼやけると読み取ってもらいにくくなるので
明るい場所で、書類全体がまっすぐ写るように撮ることがポイントです。
文字が小さくて撮影時にご自身で確認しづらい場合は
卓上型の拡大鏡(ルーペ)を手元に置いておくと
細かい文字を確認しながら撮影できて安心です。
ステップ2:ChatGPTのアプリを開いて、写真を送る
ChatGPTのアプリ(無料で使い始めることができます)を開き
メッセージを入力する欄の近くにある「+」や写真のマークをタップして
先ほど撮影した写真を選びます。写真を選ぶと、そのまま送信することができます。
ステップ3:「これ、何が書いてありますか?」とやさしく聞いてみる
写真を送ったら、たとえば次のように聞いてみましょう。
「この書類に何が書いてあるか
中学生にもわかるくらいやさしい言葉で教えてください」
「結局、私は何をすればいいのか
やることだけ簡単に教えてください」
「いつまでに、どこに提出すればいいですか?」
このように、知りたいことをそのまま言葉にして聞くだけで
驚くほどわかりやすい説明が返ってきます。
難しい専門用語が出てきても、「それ、もっと簡単に言うと?」
と聞き返せば、さらにかみ砕いて説明し直してくれます。
何度聞き返しても嫌な顔をされることはありませんので
納得できるまで気兼ねなく質問してみてください。
なお、パソコンをお使いの方は
スマートフォンで撮った写真をメールなどでパソコンに送り
ChatGPTのホームページから同じように
写真を送って質問することもできます。
使いやすいほうの機器で試してみてください。
もし「うまく写真が送れない」
「文字がぼやけていて読み取ってもらえない」
というときは、一度写真を撮り直してみるか
書類を広げて明るい窓際で撮影し直してみてください。
それでもうまくいかない場合は、書類に書かれている文章を
そのままアプリの文字入力欄に手で打ち込んで
質問するという方法もあります。
少し手間はかかりますが、確実に伝えることができます。

こんな場面で使えます|病院・市役所・保険の書類も、こわくなくなる
実際にどんな場面で役立つのか、具体的にご紹介します。
たとえば、病院から渡される「検査結果のお知らせ」や
「お薬の説明書」。
数値や専門用語が並んでいて、読んでも「結局これは大丈夫なのか
よくないのか」がわかりにくいことがあります。
そんなときに、書類の写真を送って
「この数値は、一般的にはどう見られるものですか」
と聞いてみると、言葉の意味そのものを
やさしく整理して教えてくれます。
私自身、現役の看護師として働く中で
患者さんやご家族が
「先生の説明は聞いたはずなのに、家に帰ったら結局よくわからなくなってしまった」
とおっしゃる場面を、数えきれないほど見てきました。
忙しい診察の場で、聞きたいことを全部聞ききれないのは
決して珍しいことではありません。
生成AIは医師や看護師の代わりにはなりませんが
「もう一度、自分のペースで、わかるまで説明を聞き直せる相手」
として、家に帰ってからも寄り添ってくれる心強い存在だと
私は感じています。
同じように、市役所から届く「介護保険」や
「後期高齢者医療」に関するお知らせ、年金事務所からの通知
家の火災保険や生命保険の更新案内なども
生成AIに読み解いてもらうのに向いています。
「結局、私は何か手続きをしないといけないのか」
「お金はかかるのか」といった、いちばん知りたい部分だけを
まず聞いてみるのがコツです。
具体的なやり取りのイメージが湧きにくいかもしれませんので
たとえの例をひとつご紹介します。
仮に、年金事務所から「現況届(げんきょうとどけ)」
という書類が届いたとします。
写真を送ったうえで「これは何をすればいいですか。
やさしく教えてください」と聞くと
たとえば次のような答えが返ってきます。
「これは、あなたが今も生きていて
年金を受け取る資格が続いていることを
役所に伝えるための書類です。
同封されているはがきに必要事項を書いて
期限までにポストへ投函すれば手続きは完了します。
特に難しい手続きは必要ありません」
このように、書類そのものの言い回しは難しくても
「結局、何をすればよいのか」だけを
日常の言葉で教えてもらうことができます。
もちろん、これはあくまで一例であり
実際の答えは書類の内容によって変わりますので
最終的な確認は必ずご自身でも行ってください。
スマートフォンや家電量販店で買った新しい機械の取扱説明書も
生成AIが力を発揮してくれる場面です。
「テレビとブルーレイレコーダーをつなぐには
どうすればいいですか」
「この設定画面で、次に何を押せばいいですか」
など、説明書の該当ページを撮影して質問すれば
自分の状況に合わせて手順だけをかいつまんで教えてもらえます。
分厚い説明書を最初から最後まで読む必要はもうありません。
また、離れて暮らすお子さんやお孫さんから届いたメールやメッセージの中に
聞き慣れない言葉が混じっていて
意味がつかみにくいということもあるかもしれません。
そうした文章についても
同じように「これ、どういう意味ですか」と聞いてみれば
やさしく解説してもらえます。
書類だけでなく、日常のちょっとした「わからない言葉」
全般に使える方法だと思っていただければと思います。
使うときに気をつけたい3つのこと
とても便利な使い方ですが、いくつか気をつけていただきたい点があります。
安心して使っていただくために、必ず目を通してください。
1.マイナンバーや保険証番号など、重要な個人情報はできるだけ写さない、入力しない
書類を撮影するときは、マイナンバーやクレジットカード番号
パスワードなど、悪用されると困る情報が写っている部分を
あらかじめ手や紙で隠してから撮影することをおすすめします。
生成AIの会社によって情報の扱い方は異なりますが
「大切な番号は見せない」という習慣をつけておくと安心です。
2.AIの答えを100%正しいものとして鵜呑みにしない
生成AIは、とても自然な文章で答えてくれますが
まれに間違った内容を、まるで正しいことのように
答えてしまうことがあります。
特に「手続きの期限」や「金額」など
間違えると困る大事な部分については
AIの説明はあくまで「理解の助け」として使い
最終的には書類そのものや、市役所・病院・保険会社などへ
ご自身で確認することをおすすめします。
3.不安なときは、ご家族や周りの人にも相談する
生成AIはとても頼りになる相談相手ですが
あくまで機械です。
少しでも不安が残る内容については
ご家族や信頼できる方にも一緒に見てもらうと
より安心して手続きを進めることができます。
4.健康や医療に関わる内容は、必ず医師や薬剤師にも確認する
検査結果やお薬に関する説明は
生成AIに聞くことで大まかな意味をつかむのはとても役立ちますが
ご自身の体調や持病によって受け止め方が変わる
専門性の高い分野でもあります。
「AIがこう言っていたから大丈夫」と自己判断で片づけてしまうのではなく
気になる点は必ず、診察のときやお薬をもらうときに
担当の医師や薬剤師にも直接たずねるようにしてください。
生成AIは、専門家に何を聞けばよいかを整理するための
「予習」として使っていただくのが
いちばん安全で心強い使い方だと思います。
これからも生成AIと仲良くなるために
今回ご紹介した「書類を読み解いてもらう」使い方は
これまでの記事でご紹介してきた
「文章の下書きを手伝ってもらう」
「旅行の計画を立ててもらう」
といった使い方と組み合わせることで
日常のちょっとした「わからない」「面倒くさい」を
少しずつ減らしてくれます。
最初は誰でも、機械に話しかけることに
少し照れくさい気持ちや不安を感じるものです。
私自身も、最初にChatGPTを触ったときは
「本当に自分なんかが使いこなせるのだろうか」
と半信半疑でした。
それでも、実際に一つひとつの書類を読み解いてもらう経験を重ねるうちに
「わからないことを、わからないままにしなくていいんだ」
と思えるようになりました。
同じように感じてくださる方が
一人でも増えたらうれしいなと思っています。
この「はじめての大人のAI入門」では、これからも
生成AIの新しい使い方を、一つひとつゆっくりとご紹介していきます。
今日ご紹介した内容を、ぜひ今度届いた書類やお知らせで
実際に試してみてください。
またこのブログに遊びにきていただけたら嬉しいです。
なお、個人情報保護委員会は、生成AIに
入力した個人情報が、AIの学習に
使われる可能性があることなどを踏まえ、
入力する内容に十分気をつけるよう呼びかけています
(生成AIサービスの利用に関する注意喚起)。
名前や住所、電話番号、病名などは、
入力しない習慣をつけておくと安心です。
お金や契約にかかわる判断は、AIの答えだけで
決めず、必要に応じて専門家や窓口に
確かめるようにしてください。
まとめ
今回は、生成AIに書類やお知らせを読み解いてもらう方法を
ご紹介しました。
難しい言葉が並ぶ書類も、写真を撮って
「これ、何て書いてありますか?」と聞くだけで
驚くほどやさしい説明にしてもらうことができます。
大切な個人情報を写さないことや
最終的な確認は自分自身や専門機関で行うことに気をつけながら
まずは一度、身近な書類で試してみてはいかがでしょうか。
「わからない」を「わかった」に変えてくれる
心強い味方になってくれるはずです。
誰かに聞くのは気が引けても
AIになら何度でも気兼ねなく聞き返せます。
そのひと手間が、日々の小さな不安を少しずつ軽くしてくれるはずです。
もっと学びたい方に向けて、AI入門の教材を
コクアマーケットで紹介しています。

コメント
コメント一覧 (1件)
[…] […]