
「毎日お風呂に入っているのに、夕方になると
自分のニオイが気になる」
「家族に、枕がにおうと言われた」
30代・40代になると、若い頃とは違うニオイに
悩む男性が増えてきます。
ニオイは自分では慣れてしまって気づきにくく、
周りも指摘しにくいものです。
この記事では、年齢とともにニオイが変わる理由と、
体のどこから何がにおうのか、
そして今日からできる対策と受診の目安を、
看護師の視点でまとめました。
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なぜ30代・40代になるとニオイが変わるのか

汗そのものは、出たばかりのときは、
ほとんどにおいません。
ニオイの多くは、汗や皮脂が皮膚の表面に残り、
そこにいる細菌に分解されたり、空気に
触れて酸化したりすることで生まれます。
加齢臭のもと「ノネナール」
年齢とともに出てくる独特のニオイは、一般に
「加齢臭」と呼ばれます。
2001年に発表された研究では、
体のニオイの成分を調べたところ、
40歳以上の人から「2-ノネナール」という物質が
見つかり、年齢が上がるほど増える傾向があると
報告されています。
この物質は、皮脂に含まれる脂肪酸が
酸化してできると考えられています。
皮脂が多く出る首の後ろ、耳の後ろ、胸、背中、
頭皮は、加齢臭が出やすい場所です。
生活の変化もニオイに表れる
30代・40代は仕事の責任が増え、睡眠不足や
外食、お酒、ストレスが重なりやすい年代です。
運動不足で汗をかく機会が減ると、
たまにかいた汗がにおいやすくなることもあります。
年齢だけでなく、こうした生活の変化もニオイに
影響しています。
ニオイの種類と出やすい場所を知っておく
ひと口に体臭といっても、原因や
出やすい場所はいくつかに分かれます。
自分がどれに当てはまりそうかを知っておくと、
対策を絞りやすくなります。
- 加齢臭:首の後ろ、耳の後ろ、胸、背中、頭皮。脂っぽく、こもったようなニオイ
- 汗のニオイ:脇、背中、足。汗をかいたまま時間がたつと強くなる
- ワキのニオイ(腋臭症):脇。体質によるところが大きい
- 足のニオイ:靴の中で蒸れて、雑菌が増えることで強くなる
- 口臭:舌の汚れや歯周病が主な原因
ワキのニオイについて、
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、
脇などにあるアポクリン腺の汗の成分が
皮膚の表面の細菌に分解されてにおうと
説明されています。
日本人では頻度は約10%で、予防には洗浄などで
脇をいつも清潔に保つことが必要だとされています。
口臭については、口臭対策の記事でくわしく
解説しています。
見直すポイント① 洗い方|ニオイのもとを残さない
ニオイ対策の基本は、香りを足すことではなく、
ニオイのもとになる汗と皮脂を残さないことです。
毎日洗っていても、洗い方によっては汚れが
残っていることがあります。
- 首の後ろ、耳の後ろ、耳の裏のくぼみを、指でなぞるように洗う
- 胸と背中の真ん中は、皮脂が多いので泡でしっかり洗う
- 脇は、泡をのせてやさしく洗い、すすぎ残しがないようにする
- 足は、指の間とかかとまで洗い、上がったら指の間までよく拭く
- 頭皮は、指の腹で洗い、シャンプーをしっかりすすぐ
ゴシゴシこすると肌が荒れ、かえって皮脂が
出やすくなることがあります。
泡でやさしく洗い、ぬるめのお湯で流すのが基本です。
できれば、汗をかいた一日の終わりにシャワーを
浴びて、汗と皮脂を落としてから寝ましょう。
見直すポイント② 衣類と寝具|ニオイは布に残る
体を洗っても、服や寝具にニオイが残っていては
意味がありません。
皮脂は布の繊維に残りやすく、時間がたつと
酸化してにおうようになります。
- 肌に直接ふれるインナーを着て、汗と皮脂をシャツに移しにくくする
- シャツの襟や脇は、洗濯前に固形石けんなどで部分洗いをする
- 洗濯物は部屋干しのまま長時間放置せず、しっかり乾かす
- 枕カバーとシーツはこまめに洗う
- 靴は毎日同じものを履かず、1日履いたら乾かして休ませる
特に枕は、首の後ろや頭皮の皮脂がつきやすく、
加齢臭がこもりやすい場所です。
枕カバーの上にタオルを敷いて毎日替えるだけでも、
ずいぶん違います。
見直すポイント③ 生活習慣とデオドラントの使い方
食事・お酒・タバコ・睡眠
脂っこい食事やお酒が多い生活、タバコ、寝不足は、
ニオイが強くなりやすい生活でもあります。
野菜や魚を意識して食べる、お酒の量を
控えめにする、睡眠を確保する、
といった生活全体の見直しも、遠回りのようで
確かな対策です。
生活習慣の整え方は、清潔感と
生活習慣の記事にまとめています。
デオドラントは「清潔な肌」に使う
デオドラントや制汗剤は、汗やニオイのもとを
抑える助けになります。
ただし、汗をかいたあとの肌に重ねて使っても、
十分にはたらきません。
入浴後や、汗を拭きとったあとの清潔で乾いた肌に
使うのが基本です。
肌が弱い人は、香料やアルコールが少ないもの、
ロールオンやクリームタイプなど刺激が
少ないものから試してみてください。
新しいものを使うときは、少しの範囲で試し、
赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。
香水でニオイを隠そうとすると、汗や皮脂のニオイと
混ざって、かえって強く感じられることがあります。
香水を使うなら、清潔な肌に
少量にとどめましょう(メンズ香水のつけ方の記事)。
場所別のニオイ対策|足・頭皮・日中のリセット
足のニオイは「靴と靴下」がカギ
足の裏は汗をかきやすく、靴の中で蒸れると雑菌が
増えてニオイが強くなります。
足を洗うときは、指の間とかかと、爪のまわりまで
丁寧に洗い、上がったらしっかり拭いて
乾かしましょう。
靴下は綿やウールなど汗を吸いやすい素材を選び、
汗をかいた日は替えの靴下を持っておくと安心です。
靴は2〜3足を交互に履いて、
1日履いたら中をしっかり乾かします。
かかとの角質が厚くなっていると、そこにも
汚れがたまりやすくなります。
足の指の間がかゆい、皮がむける、という症状が
続くときは、水虫などの可能性もあるので皮膚科で
確かめてください。
頭皮のニオイは夕方に出やすい
頭皮は皮脂が多い場所で、夕方になるとニオイが
気になりやすくなります。
夜のシャンプーで一日の皮脂を落とし、ドライヤーで
根元からしっかり乾かしてから寝ましょう。
濡れたまま寝ると、頭皮が蒸れて枕にもニオイが
移ります。
日中は「拭く・替える」でリセット
外回りや暑い日は、日中にも汗のケアをしておくと、
夕方のニオイがずいぶん変わります。
汗は乾く前に、ぬらしたハンカチや汗ふきシートで
拭きとりましょう。
乾いたタオルで拭くより、湿ったもので拭くほうが、
汗の成分が肌に残りにくくなります。
替えのインナーを1枚カバンに入れておけば、
汗をかいた日でも安心です。
セルフケアで変わらないときは、受診も考える
洗い方や生活を見直してもニオイが気になるときは、
ひとりで抱え込まずに医療機関で相談してください。
- 脇のニオイが強く、服の脇が黄ばみやすい(皮膚科)
- 汗の量が多くて、仕事や生活に支障がある(皮膚科)
- 皮膚に赤みやかゆみ、湿疹が続いている(皮膚科)
- 急に、これまでと違う種類のニオイがするようになった(かかりつけ医)
ワキのニオイや多汗は、塗り薬などの治療で生活が
ラクになることもあります。
ニオイの悩みは人に言いにくいものですが、
医療機関では日常的に相談を受けている内容です。
恥ずかしがらずに相談してみてください。
自分のニオイがどのくらいなのかわからないときは、
信頼できる家族やパートナーに、正直に
聞いてみるのもひとつの方法です。
「気になったら教えてほしい」と
前もって伝えておくと、相手も言いやすくなります。
着ていたシャツや枕カバーのニオイを、
時間をおいてから自分でかいでみるのも、
気づくきっかけになります。
まとめ|ニオイ対策は「隠す」より「残さない」
30代・40代のニオイの変化には、
皮脂の酸化でできる加齢臭や、汗が細菌に
分解されて出るニオイが関わっています。
対策の基本は、香りで隠すことではなく、汗と皮脂を
残さないことです。
洗い方、衣類と寝具、生活習慣の3つを見直し、
デオドラントは清潔な肌に使いましょう。
それでも気になるときは、皮膚科などで
相談してください。
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参考にした資料
- Haze S, et al. 2-Nonenal newly found in human body odor tends to increase with aging. J Invest Dermatol. 2001;116(4):520-524.
- 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 汗の病気 Q5 腋臭症(ワキガ)はどんな病気ですか?」
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